子育てと「発達障害」

イヤーマフをつけてみた

黒板をキーッ、キーッと引っ掻く音。
ゾゾ〜として、思わず耳を押さえたくなりますよね。

誰にでも、苦手な音ってあると思います。
私の場合は、爪を切った後に、ヤスリでこする音がとても苦手です。
うちの旦那は、必ずヤスリをかける人なので、旦那が爪を切り始めたら、私はすぐにその場から逃げ出すことにしています。

もし、一般の人よりも、苦手と感じる音が多かったり、周囲の音を大きく感じてしまって耐えられないほどだったとしたら、それはとても辛いことですよね。

発達障害の方は、聴覚が過敏なことも多いようです。

我が家の娘・ナッツも、音に対して敏感です。
そこで、「イヤーマフ」というものを買ってみました!

イヤーマフとの出会い

教室が騒がしいと、勉強に集中できない(勉強が嫌いなせいもある気がするけど…)。
クラスに元気な男子(K君とする)がいて、その子の大きな声や叫び声?がとにかく苦手。

保健の先生から、「耳栓とかイヤーマフをしてみたらどうかな?」という提案がありました。
学校内でも使用している生徒がいるそうで、担任の先生に伝えておけば、学校に申請しなければならないということもないようです。

保健室登校をしている先輩が『デジタル耳栓』というものを使っていて、試しにちょっと使ってみたら?とナッツに貸してくれたのです。
デジタル耳栓とは、環境騒音はカットされて、人の声は聞こえるというイヤホン型の耳栓です。
コンパクトなので、持ち運びに便利そう。
単4形アルカリ乾電池が1本必要です。

ナッツの感想
『確かに、周りの音はあまり聞こえなくなっていいかも。でも、K君の声は相変わらず聞こえる…。あと、耳栓は耳が痛くなるからちょっと苦手だな…』
そ、そうか。K君の声は、周囲の騒音とはみなされないからね(汗)

それなら、イヤーマフを試してみよう。ということになりました。

イヤーマフは、ちょっと大きなヘッドホンのような形をしています。耳全体を覆うタイプの防音保護具で、もともとは工事現場や飛行場などの騒音が大きい場所で、耳を守る道具として使用されてきました。

楽天市場で探してみただけでもいろいろあって、値段も形も様々です。
小児科の先生は、「値段が高いものが必ずしもいいという訳ではないんですよね。私の患者さんで、一番高いものを買ってみたけれど合わなくて、結局、安いものの方が良かったということもありました。」とおっしゃっていました。

試してみないとわからないというのが、ちょっと難しいところではありますが…。
ヘッドバンドの部分に金属を使っていなくて、長さが調節できるものが良かったので、これを選びました。↓

使用してみた感想

ナッツは小柄で頭が小さいので、ヘッドバンドを調節できるのがいいです。
そして、私も借りてみました!
耳に当てる部分が程よいクッションになっていて、耳が痛くなったりもしないし、ぴったりフィットする感じが良いです。
人の話し声は聞こえますが、部屋のテレビで流れていた大相撲の中継の音声は、ほぼ聞こえなくなりました。
周囲の音が完全に聞こえなくなるという感じではなく、音のボリュームが全体的に低くなったような感じです。
そして、このイヤーマフは電池が必要ないのがありがたい。

「これならいいかも!学校で使ってみるね!」
いつもテンションが低いナッツが、ちょっと笑顔になりました。
私もちょっぴり嬉しくなりました。

娘が聴覚過敏だったとわかるまで

小さな頃から、「地獄耳だな…」と思うことはありました。
私と旦那が隣の部屋でコソっと話していると

ナッツ
ナッツ
なんか言った?!

って、ちゃんと聞こえているんですね。
別にナッツのことを話していた訳じゃないんですが、自分のことを何か言ってるんじゃないかと気になってしまうようです。

小学6年生の時に、学校の旅行で高速バスに乗った時、隣の席の友達が話していることが全然わからなくて困ったと言っていました。
「バスのゴォーって音が大きくて、何回聞き返しても友達の声が聞こえなかった」と。

その時は、まあ、確かに、高速バスは走行中の音がけっこう大きかったりするから、聞こえにくいのかもしれないな…。くらいにしか考えませんでした。

中学生になって、「休み時間とか、教室の中がガヤガヤしていると、友達の声が聞こえないんだよね」と、とても困っていました。
うーん。もしかしたら、耳に異常があるのかな?と思いましたが、学校の聴覚検査では、何も異常なしだったといいます。

小児科を受診した時に、先生に聞いてみたところ
「発達障害があるお子さんには、けっこうよくあることなんですよ。多分、聴覚が過敏なんですね。普通は、周りがガヤガヤしていても、話している相手の声を選んで聞き取ることができるんですが、お子さんは、周りのガヤガヤの音も全て同じレベルで聞こえてしまうので、人の声が拾えなくなってしまうんだと思います。」

そうだったのか…。
理解してあげられていなくて、ごめんね。

聴覚過敏とは…

NHKのサイトに、「発達障害プロジェクト」というものを見つけました。
発達障害のある人が感じやすい「困りごと」について、当事者や周囲の人の体験談が載っていて、非常にわかりやすいです。
この中から、聴覚過敏についての内容を抜粋して引用させて頂きます。

特定の音に過剰反応したり、多くの人にとって気にならないような音が、耐えられないほど大きく感じられたり…その結果、イライラしてしまうことや、ぐったりと疲れて寝込んでしまうこともあります。
苦手な音は、人によって異なります。
体調が悪かったり、不安が強かったりするときには、特に聴覚過敏が強くなりやすいようです。

聴覚過敏は、周囲に理解されにくいのが現状です。当事者にとってつらいのは、周囲から「我慢できるでしょ?」「そのうち慣れるよ」などと我慢を強要されたり、「そんなことを気にするのは、わがままなんじゃないの?」などと責められてしまうことです。

ASDの聴覚過敏の、詳しい原因は分かっていません。脳の情報処理の仕方に原因があると考えられていて、「気の持ち方」や「慣れ」の問題ではありません。むしろ、苦手な音を何度も聞かされるなど、つらい体験が積み重なると苦手意識が強くなり、さらにつらくなることもあります。

聴覚の過敏性は生まれつきなので、当事者さえも、この問題を自覚しにくいことにあります。困難が生じても、「みんな我慢している」「自分の我慢が足りないだけだ」と、自分を責めてしまうことも少なくありません。

苦手な音の種類としては、以下のものがあるようです。

特定の音 ・運動会のピストルの音
・掃除機やドライヤーの音
・トイレのエアータオルの音
・水洗トイレを流す音
・食器が触れ合う音
特定の人の声 ・赤ちゃんの泣き声
・子どもの声
・大勢の人の会話や人ごみの声
・多くの人がいる体育館の中での声や音
突然鳴る予測不能な音 ・授業のチャイム
・救急車のサイレン
・ドアの開け閉めやノックの音

確かに…
ナッツは小さい頃、外出先でトイレに入った際、自動洗浄で水が勝手に流れたのにびっくりして、パニックになりました。
そしてさらにエアータオルの音に驚いてパニックになり、かなり長い間、家以外のトイレには入ろうとしなくて困った思い出があります。
中学生になって思春期になり、余計に音に対して敏感に感じるようになった気もします。
イヤーマフを使うことによって、今まで苦手だった映画館に行けるようになったり、クラスの授業も出られるようになっていけたらいいな・・・

母の願いは、いつもあっけなくポキっと折られてしまうことが多いのですが(泣)
少しずつ、前に進んで行きたいと思います。