今回参加した講演会は…
「お子さまに合った進学や就労等の進路の考え方」
~発達検査の有効性と活かし方について~
講師:山内 康彦先生(学校心理士・ガイダンスカウンセラー)
主催:(一般社団法人)障がい児成長支援協会
山内先生の講演会は、3回目の参加となります。
今回は『発達検査』を中心にしたお話でした。
発達検査とはどういうものか?
検査の結果をどのように活かしていけばよいのか?
検査を受けることによって、子どもの性質を知ることができ、その子を伸ばしていけるほめ方・叱り方を考えることができます。
将来、子どもがどんな仕事に就くのがよいのか、何に向いているのかを分析することができるといいます。
娘は発達検査を受けましたが、結果をあまり活かせていない…。まさに、我が家が直面している問題です。
そして今回は、講演会だけではなく、初めて個別相談会にも申し込んでみました!
結論から言ってしまうと、
ということで、今回は、その個別相談を中心にお話してみようと思います。
「相談をしてみよう!」と思ったいきさつ
ナッツ(娘)は、小学6年生のときに「WISC」を受けました。
全く知識のなかった私は、その検査を受ければ、発達障害がある・ないを判別することができるのだろうと思っていたのです。
『検査を受ける=はっきりした判定が出る』→解決方法が見つかる
という思い込みや誤った認識があったため、私は検査の結果を活かせていなかったのだと思います。
検査を受けた後、臨床心理士の先生に、結果を詳しく説明して頂きました。
各分野ごとの値が出ていて、「言語理解力」と「知覚推理」は高いけれど、「処理速度」と「ワーキングメモリ」が低めということでした。
その高いものと低いものの差が大きくて、凸凹した状態であることが、ナッツの性質につながっているようです。
しかし、学習面での遅れなどはなく、はっきりと『発達障害です』と言いきれないグレーな状態のようです。
うーん。そういう性質なのはわかったけれど、結局これからどうすればいいんだろう?
検査は受けたけれど、私にはその先が見えませんでした。
検査結果は、小学校の担任の先生にも伝えました。
ナッツをよく理解してくれていたので、時には優しく見守り、時には叱咤激励し、時にはそっと背中を押してくれました。そのおかげで、普通クラスで頑張って過ごすことができたのです。
しかし、中学校に入り、典型的なサラリーマン教師のような担任とクラスの雰囲気になじめなかったナッツは、不登校になりました。
私は相変わらずナッツと大喧嘩したり、落ち込んだり、悩んだり…。そんなことを繰り返しながら過ごしてきたこの2年間。
そして学んだことは…。
「悩んでも仕方ない。なんとかなるよ…」
今は学校に行けないのは仕方ない。でも、親として将来子どもが自分で食べていけるようにはしてあげたい。
苦手なことは多いけれど、得意なこともある…。
苦手なことをカバーしつつ、好きなことや得意なことを伸ばしてあげられればいいなと思っています。
それには、まず、子どもの性質をよく知ることが大切です。
そこで役立つのが「知能検査」の結果という訳です。
やっとそこに結びついた!
結果を知ることが重要なのではなく、それをどう活かしていくかということが大切だったのですね。
ただ、もう少し早い時期から支援してあげるべきだった!という、後悔は大きい。
中学生になり、不登校になってしまった今、何をしてあげられるんだろう?
今まで山内先生に相談してみたい気持ちはありながらも、なんとなく一歩踏み出せずにいましたが…。
受付の方に聞いてみると、若干まだ空いている枠があるとのこと。そこで、思い切って申し込んでみることにしたのです。
何を相談しよう?
相談時間は限られていますから、まず「何を相談したいのか」をはっきりさせなければなりません。
モヤモヤとしている悩みを整理してみることにしました。
1 娘ナッツについて
現在中学1年生。3学期以降、完全に不登校状態です。
勉強が大嫌い。授業が理解できないわけではなく、ただ、とにかく勉強をやりたくないらしい。
はじめは家で少し自習をしていました。私も時々見てあげたり、丸付けをしてあげたり…。
しかし、勉強を始めると次第に不機嫌になってきて、ギャーギャーとカンシャクが始まってきます。最後は、必ず、大喧嘩。
そんなことがずっと続き、私も嫌になってしまいました。
そんなに不機嫌になるんだったら、勉強なんてしなくていいんじゃないか?!
私が『勉強』という言葉を口にしなくなったため、ナッツは、全く勉強をしていません。
う~ん。ケンカになるのは嫌だけど、本当に何もしなくてよいものか?
進学のことも考えなくてはならないし…。
まず一つ目の悩み。ナッツの勉強への取り組み方。
2 息子チッチについて
現在小学3年生。敏感なナッツとは対照的に、ものすごく鈍感です。
幼い頃は、おっとりしているんだな~と思っていました。
しかし、どうも、おっとりしているだけでは済まないような…。そんな不安が生まれてきています。
話を理解するのに時間がかかることが多く、何度かゆっくり説明してあげて、やっと理解できるといった感じ。
手先が不器用で、字もかなり下手です。
最近、自分が人よりできないことが多いことに気付いてきたようで、学校に行きたくない!とごねるようになってきました。
敏感と鈍感。まったく異なるタイプではあるけれど、結局のところは同じ。
できないこと、苦手なことが多いのに、周囲と同じことをやらなくてはいけない。でもできなくて、本人はつらくなってくる。学校に行けなくなる。
今は「うちの子、発達障害では?」と心配する親が増えていると聞いたことがあります。
誰にでも、得意・不得意はあるし、いろんな個性を持った子がいるわけですから、ちょっと気になることがあるからといって、すぐに発達障害を疑うのは、もしかしたら過剰な心配なのかもしれません。
でも、わが子を一番知っているのは、親ですよね。
私は、『親の直感』という力をとても信じています。
だから、やはりどうしても気になる様子があるのだったら、早めに動いてみるのがいいのではないかと思うのです。
話が逸れてしまいましたが、2つ目の悩みは、チッチの鈍感さが気がかりなこと。
そして、山内先生へ相談してみた
先生は、とにかくエネルギッシュ!
そして、お話することが本当に大好きなんですよね、きっと。
あちこちで講演会をされているだけでなく、個別の相談会も行っています。多忙であろうにもかかわらず、先生は「お母さんには、初めてお会いしますね!」と、笑顔で迎えてくださいました。
ナッツは、グレーではあるけれど、自閉症スペクトラムであると主治医の先生から言われています。
自閉症スペクトラム(ASD)
ASDの意味を調べてみると、
Autisumu=自閉症
Spectrum=連続体
Disorder=不調、疾患、障害
つまり「障害」ということなんですね…。
しかし、山内先生は、「障害」ではなく、そういう「タイプ」なのだとおっしゃっていました。
ただそれが、タイプ(性質)となるか、病気になってしまうのか…。
それを分ける境界線は、「人に迷惑をかけるかかけないか」だといいます。
「娘さんは、今、不登校になっていますよね。お母さんはそれで悩んだり、仕事に支障をきたしたりしている。ということは、お母さんに十分迷惑をかけてしまっているわけです。だから『病気』なんです。タイプになるか病気になるかは自分次第なんです。」
「自分は自閉症であり、そして今は「病気」の状態であるということを、娘さんにもきちんと伝えなければいけませんよ。」
「中学校を卒業後、普通高校に進学できたとしても、そこで毎日5、6時間の授業を受け、テストで最低限の点数を取り、進級や卒業に必要な単位を取得していくのは、娘さんにとっては難しいかもしれません。
でも、通信制サポート校であれば、文科省で定められている最低限の授業時間数だけ受ければよく、中学の出席日数や内申書も影響しません。
そういう選択肢もあります。
ただ、あくまでも高校ですから、最低限中学1年生の学力はないと、厳しいです。
学校を休んでいた分、勉強は遅れてしまっているかもしれませんが、焦らずに、残りの2年間で1年生で習う範囲をしっかり学習する!くらいの気持ちで頑張ってみてはどうでしょう?
発達障害があると、どうしても得意・不得意の差が大きいです。
できないことに時間を費やしても、本人もつらいし、限界があります。それよりも、得意なことや好きなことを伸ばしていく方がいいです。
凸凹を平均して、中1レベルを維持できればいいと思いますよ。」